犬の痴呆 ~人と同様に犬も老化に伴って起こる~


犬も人と同じく痴呆になる事があります。人と同様に老化に伴って起こる老化現象の1つです。

また、カンザス州立大学獣医学部のジェイコブ・モーザー氏によって脳の変化は犬も人も同じであることが分かっています。

今回は痴呆の症状と予防について紹介していきたいと思います。

犬の痴呆の原因


痴呆とは、老化に伴って物を認知する力や物事に反応する力が低下して、学習記憶能力が衰えてしまった状態をいいます。また、認知機能不全症候群(CDS)とも呼ばれる老化現象です。

カンザス州立大学獣医学部のジェイコブ・モーザー氏によると、神経組織内の情報伝達速度に関し、健康な若い犬では時速360キロであるのに対し、老犬では時速80キロ、そして脳内で代謝されるエネルギー(ブドウ糖)の量に関しては、3歳を過ぎるころから代謝量が減少し、14歳を過ぎると、若い頃の半分にまで減少するといえます。

痴呆の原因は、老化や脳梗塞・脳出血、栄養障害などによって脳神経細胞や自律神経がうまく機能しなくなることで発症します。

また、11~12歳齢を超える頃から発症するといわれ、獣医療の発展によって犬の寿命が延びた事で痴呆も増加してきているといわれています。

犬の痴呆の症状


痴呆の症状は、全ての症状が一気に発現するわけではなく、個々の症状がゆっくりと発現していきます。

症状としては、よく知っている屋外や室内で迷ってしまったり、よく知っている人を認識できなくなったり、落ち着きがなくなり歩き回るなどがあります。また、障害物を避ける事ができずに立ち往生したり、よく知っているものに対して異常な反応を示したりする事もあります。

さらに、挨拶行動、撫でられる事への反応、飼い主や家族と遊ぶ事への興味、おもちゃへの興味、他の犬との遊ぶ事への興味、指示に対する反応、課題遂行能力の低下が認められ、飼い主や家族に異常に付きまとったり、攻撃性の向上が認められます。

夜中に徘徊したり、遠吠えをしたり、トイレの場所が変わったり、おしっこを漏らしたりするといった事も認められるようになります。

こういった症状が認められた場合には痴呆が疑われるので、動物病院で診察を受けるようにしましょう。

スポンサーリンク




犬の痴呆の治療


脳細胞の死滅によって発症する痴呆には基本的に治療法はありません。

死滅した脳細胞を完ぺきに埼栄する事ができない為に治療する事はできません。

ただ、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)の入ったサプリメントやドッグフードを与えることにより症状が改善することがあるとされています。

犬の痴呆の予防


痴呆を発症する前に、飼い主がある特定の生活習慣を守っていれば、犬の脳の老化や認知症の発症を防ぐことができるという可能性が、一部の研究者によって示されています。

犬は毎日散歩をする必要がありますが、散歩をする際にやり方を注意する事で痴呆の予防になる事があります。

散歩はそもそも脳を効率的に活性化させる作用があります。更に脳を刺激する為には毎日同じコースを選ばないようにします。いつもと違う散歩コースを歩く事で、犬にとっては違う景色、違う匂い、初めて聞く他の犬の声などを経験する事ができので、毎日変える必要はありませんが、たまには違う散歩コースを歩くようにしましょう。

また、歩くスピードを変える事も効果的とされています。

脳を活性化させるのには、アジリティが効果的とされています。足腰が丈夫なのであればアジリティを利用する事も1つの痴呆予防です。

また、今は知能を高める為のおもちゃである知育玩具が市販されています。こういったおもちゃを使う事で遊びながら頭を刺激する事で痴呆を予防する一助となります。

更にマッサージで体全体を刺激する事も痴呆を予防する為には効果があるとされています。

痴呆を予防する為には脳を刺激する事が重要ですが、犬と旅行する事も1つの方法となります。

現在では以前よりも犬と一緒に泊まれる宿が増えてきているので、犬との旅行がしやすくなっているので、そういった宿泊施設を利用して犬と一緒に遠出してみると、脳にはいい刺激となります。

まとめ

1. 原因は、老化に伴って物を認知する力や物事に反応する力が低下して、学習記憶能力が衰えてしまった状態をいいます。

2. 症状は、全ての症状が一気に発現するわけではなく、個々の症状がゆっくりと発現していきます。

3. 治療は、基本的にはありませんが、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)の入ったサプリメントやドッグフードを食べる事で症状が改善する事があります。

4. 予防は、飼い主がある特定の生活習慣を守っていれば、犬の脳の老化や認知症の発症を防ぐことができるという可能性があります。

犬の痴呆は、獣医療の発展によって増加傾向のある病気ですが、シニア期の犬で発症する老化現象ともいえる病気です。

また、発症すると基本的に治療法はない為に痴呆にならないようにする事が重要となります。

日頃から脳を刺激するようにしていく事が重要で、マンネリをしないように散歩コースを変えたり、脳を刺激するように旅行などを行うようにしましょう。

(コラム:ペット専門家 クロさん)