犬の食道炎 ~刺激性のある有毒性物質や異物を誤飲したりする事で発症~


犬の食道炎は、食べ物の通り道である食道に炎症が生じた状態で、食道炎が粘膜を越えて粘膜下組織や筋層まで浸潤してしまうと、浸潤された部位を修復しようとして線維化が進み、食道の内側が狭くなってしまう食道狭窄となります。

今回は、食道炎の原因と症状について紹介していきたいと思います。

犬が食道炎になる原因


食道炎の原因としては、刺激性のある有毒性物質を誤飲する事によって食道に炎症が起こる事があります。刺激性のある有毒性物質としては、殺虫剤や水銀、鉄、アロマオイル、タバコ、人間用の薬、唐辛子、カレー、卵白、アルコール、玉ねぎなどがあります。これらは犬が食べると症状が発現するといわれるので、犬に食べさせたり、犬が届く位置に置かないようにしましょう。

また、タバコやアクセサリー、クリップやボタン電池なども誤飲する事で食道を傷つけてしまい、食道炎を引き起こしてしまう事があります。

食道の入り口である咽頭や口頭で炎症を起こしていると、食道まで波及してしまい、食道炎を引き起こす事があります。また、血行障害や巨大食道症、食道腫瘍が原因の場合もあります。

食道炎の原因として胃酸が原因となる事があります。本来、食道と胃の境目は下部食道括約筋によって胃酸の逆流をしないようにしています。

ただ、何らかの理由で機能しなくなると胃酸が逆流して食道壁が傷つきてしまい、食道炎を引き起こす事があります。こういった状態を逆流性食道炎と呼びます。

食道炎の原因としてはビシウムやカンジダに感染する事によって起こる場合や医療行為によって起こる場合もあります。

食道炎を引き起こす医療行為としては、麻酔による胃酸の逆流、食道や胸部の手術、鼻や咽頭からチューブを挿入したときに傷つけた、括約筋の圧力を減少させるような薬剤の投与などがあります。こういった発症のパターンを医原性の食道炎といいます。

犬の食道炎の症状


また、犬の食道炎はなかなか症状が出にくい特徴がある為に注意が必要です。

食道炎を引き起こした際の初期症状としては、首を触る事を嫌がったり、食べた物をすぐに吐出したり、食べるのが遅くなったり、食べる時に大声を発するようになったり、涎を垂らすといった症状が認められます。

症状が進行すると、食欲不振や食事の嚥下困難、嘔吐などが認められるようになり、体重減少や食道から出血することで血交じりの液体を吐き出したりするようになります。

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犬の食道炎の治療


食道炎かどうかを診断する為には、内視鏡を用いて食道内部の状態を観察する事がありますが、内視鏡で食道壁を傷つけてしまう事があるので、一般的にはバリウムなどによるレントゲン検査が行われます。

食道炎の症状が軽症の場合は、抗生物質や抗炎症薬を投与して経過観察が施されます。また、固形食を食べる事ができない場合には流動食を喉に流し込んだり、皮下や静脈から輸液を行う事があります。

また、食道の安静を図る為に軽度から中等度の食道炎では24~72時間、重度の場合には5~10日間絶食します。絶食・絶水が長期におよぶ場合には胃瘻チューブや中心静脈栄養により栄養管理が行われます。

何度も食道炎を引き起こした結果、食道狭窄を起こしている場合には、バルーンを入れて強引に拡張したり、狭窄部位を外科的に切除することもあります。

犬の食道炎の予防


食道炎の予防としては、異物の誤飲や毒性物質を摂取しないようにする事が大切です。また、犬の飼育環境にそういったものを置かない事や散歩中や室内での拾い食いをしないようにする事も大切です。

食道炎は症状が出にくい為に見落としやすいですが、少しでもいつもと違う症状が認められた場合には動物病院での診察を受けるようにしましょう。

まとめ

1. 原因は、殺虫剤や水銀、鉄、アロマオイル、タバコ、人間用の薬、唐辛子、カレー、卵白、アルコール、玉ねぎなどを食べた事で発症します。その他、タバコやアクセサリー、クリップやボタン電池などの誤飲、病気や感染症などが原因となる事があります。

2. 症状は、首を触る事を嫌がったり、食べた物をすぐに吐出したり、食べるのが遅くなったり、食べる時に大声を発するようになったり、涎を垂らすといった症状が認められます。

3. 治療は、抗生物質や抗炎症薬を投与して経過観察を施します。また、食道の安静を図る為に軽度から中等度の食道炎では24~72時間、重度の場合には5~10日間絶食します。絶食・絶水が長期におよぶ場合には胃瘻チューブや中心静脈栄養により栄養管理が行われます。

4. 予防は、異物の誤飲や毒性物質を摂取しないようにする事が大切です。

犬の食道炎は、刺激性のある有毒性物質を誤飲したり、異物を誤飲したりする事で発症する為に、室内にそういったものを置いたり、散歩中に拾い食いをしないようにする事が大切です。

特にタバコは、2~3本食べるだけで死に至る事もあるので犬の口が届く場所に置かないようにしましょう。また、植物や人では問題ない食べ物でも犬にとって有毒なものがあるので、そういったものを理解して、そういったものを取り除いておくようにしましょう。

また、食道炎の初期症状が確認できた場合や異物を誤飲した場合にはすぐに動物病院で診察をするようにする事も大切です。

(コラム:ペット専門家 クロさん)

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