犬の脱肛と腸閉塞 ~予防にはバランスのとれた食餌と充分な水分、適度な運動を~


犬の肛門から直腸が飛び出ている状態を脱肛といいます。

また、脱肛は赤いリング状の粘膜部分や同じように粘膜で覆われたソーセージのようなものが飛び出していますが、直腸内の粘膜だけが飛び出ている状態では肛門からの出血と間違ってしまう事があります。

今回は、脱肛について紹介していきたいと思います。

犬が脱肛する原因


脱肛の最も多い原因としては排便時の激しいいきみで、便秘が長く続いているような状態の時によく起こります

また、腸閉塞膀胱閉塞といった病気やメスの場合には出産の際のいきみによって起こる事があります。更に栄養不良によって組織が緩んだ犬が排便時にいきんだり、下痢をしたりすると脱肛を引き起こす事もあります。

メスの場合には、特にシニア期の犬や出産を控えている場合には注意が必要です。また、腸閉塞を併発する事もあります。

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感染症や寄生虫症によって直腸にすでに炎症が起こっており、それが原因で脱肛になることもありますが、この場合は、便の状態に異常があったり、犬自身の食欲低下や元気消失など、様々な症状が発現してきます。

また、痛みによって、排便自体が難しくなる場合もあります。全身症状につながる為、注意が必要です。

犬の腸閉塞


腸閉塞とは、腸管の内容物の通過が何らかの原因で障害された状態で、腸が完全に閉塞された場合には症状が重く、命に関わる事もあります。

犬の腸閉塞は、おもちゃやビニール、木片、石、ボールなどの異物の飲み込みが原因となる事が多く、腸の腫瘍や腸管内に大量寄生した内部寄生虫も原因となる事もあります。

腸閉塞の症状としては嘔吐や下痢、しぶり、便秘、元気・食欲の低下、脱水などが認められます。また、激しい腹痛からお腹を丸めた姿勢をとったり、呼吸が浅く速くなったりするとともに、元気がまったくなくなってしまい、閉塞された腸の血行が阻害される為に腸管が壊死を起こし、ショック状態に陥り、死亡してしまう事もあります。

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犬の脱肛の症状

脱肛を引き起こした際に肛門から肛門と直腸の境目付近にある粘膜が飛び出してしまう場合は軽度なものとして扱われ肛門脱と呼ばれています。

脱肛を引き起こした際には、腫脹したドーナツ型の赤いリング状の組織が肛門から出てきます。飼い主や家族の中には出血と間違ってしまう場合があるので、注意が必要です。

また、脱肛を引き起こすと犬は激痛から排便ができなくなることもあります。

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犬の脱肛の治療


治療としては、脱出した部分に潤滑剤を塗布して肛門内に押し戻すという治療がまずは施されます。腫れがひどい場合は、浸透圧製剤を用いて炎症によって主張した組織を小さくし、麻酔薬を用いて痛みを抑えることで努責を止める治療法も施されます。

脱肛の症状が軽い場合には肛門にワセリンなどを塗布し、飛び出た粘膜が乾燥しないようにしてこれ以上の悪化を防ぐ為に便通をよくする必要があります。また、衛生上の問題からワセリンを塗布する際には必ず手袋を使用し、毎回新しい手袋を使用するようにします。

また、完全に飛び出てしまっている場合には外科的な治療が施されます。

再発を防止するために肛門周囲の皮膚を巾着袋のように縫合することもあり、何度も再発するような場合は直腸や結腸を腹腔の内部に固定する結腸固定術という外科的治療が有効です。

脱出した部分が壊死している場合は直腸の切除と吻合が必要で、消化しやすいように調整された療法食を給餌するのも再発防止に有効です。

犬の脱肛の予防


脱肛を予防する為にはバランスのとれた食餌と充分な水分を摂取するようにする事が大切です。また、筋力の低下を防止する為にシニア期の犬でもある程度の運動が必要です。

普段から排便しやすいように、肛門周辺を清潔にした後、ワセリンを塗っておくことも日常から対策としてできることでもあります。更に排便の状態を常に確認して、努責などをしていないかをチェックして異常があった場合にはすぐに動物病院で診察を受けるようにしましょう。

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まとめ

1. 原因は、排便時のいきみが最も多い原因で、腸閉塞や膀胱閉塞といった病気やメスの場合には出産の際のいきみによっても起こる事があります。

2. 腸閉塞は、異物などを飲み込んでしまい、それが腸で詰まった状態をいい、最悪の場合は死亡してしまう事があります。

3. 症状は、腫脹したドーナツ型の赤いリング状の組織が肛門から脱出します。また、激しい痛みを伴う為に排便行為ができなくなってしまいます。

4. 治療は、まずは脱出したドーナツ型の赤いリング状の組織を元に戻し、進行状態によって内科的治療と外科的治療が施されます。

5. 予防は、栄養バランスがとれた食餌と新鮮な水を常に十分に飲めるようにしたり、適度の運動が重要です。

犬の脱肛は、肛門からドーナツ型の組織が飛び出てしまう事でいきみによって引き起こされます。また、この病気は栄養状態が大きく関わっている為に栄養バランスが取れた食餌と新鮮な水を常に飲めるようにしておくことで予防できます。

また、適度の運動も大切ですが、シニア期の犬の場合には青年期~壮年期のように運動をさせる事ができないので、その日の犬の状態を確認しながら運動をさせるようにして、無理をさせないように注意しましょう。

(コラム:ペット専門家 クロさん)

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