犬のカルシウム代謝異常 ~栄養バランスは大丈夫?日光浴は足りていますか~


カルシウム代謝異常は、上皮小体の働きが良くなったり、悪くなったりする事でカルシウムの代謝に異常が引き起こされた結果、骨や腎臓に悪影響をきたして症状が発現する病気です。

命に関わる病気ではありませんが、飼い主や家族としては注意するべき病気です。

今回は、犬のカルシウム代謝異常について紹介していきたいと思います。

犬のカルシウムの代謝


生体内にあるカルシウムの約99%が骨組織中のハイドロキシアパタイトとして骨格系を維持していて、残りは神経伝達、筋肉の収縮、内分泌船及び外分泌腺の機能調節、血液凝固などに深く関係しています。

カルシウムは食餌などから摂取しますが、体内に入ったカルシウムは小腸でビタミンDの作用によって体の中に吸収され、細胞外液、細胞内液、腎臓及び骨組織の間をそれぞれの組織が必要とする濃度に分布するように常に移動しています。

また、カルシウムは腎臓で濾過されますが、そのほとんどは上皮小体ホルモンによって尿細管で再吸収が行われます。

上皮小体ホルモンは、上皮小体によって産生・分泌されるホルモンで上皮小体は甲状腺の表面と内側にある為に副甲状腺とも呼ばれます。

上皮小体ホルモンは血中のカルシウム濃度が低下する事で産生・分泌され、骨の再吸収を促進させる作用やビタミンDの代謝に働きかけて間接的に腸管からのカルシウムの吸収を増加させる作用を持ち、血中カルシウム濃度を上昇させます。

また、カルシウムの吸収にはビタミンDが必要不可欠です。

ビタミンDは、腸管上皮細胞に働きかけてカルシウムとリンの吸収を促進し、骨からカルシウムを遊離させて血中カルシウム濃度を上昇させる作用を持っています。なので、ビタミンDが不足するとカルシウムの吸収が上手くいかなくなります。

犬のカルシウム代謝異常の原因


カルシウム代謝異常の原因は、上皮小体ホルモンの分泌異常です。

上皮小体ホルモンに異常が起こる原因としては感染症によって上皮小体が傷ついたり、細菌感染を起こす事によって機能が低下する事が原因となります。

また、ガンや腎臓病も原因となる事があり、栄養バランスが偏った食餌や十分に日光を浴びていない場合も原因として考えられています。

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犬のカルシウム代謝異常の症状


カルシウム代謝異常の症状としては、落ち着きがなくなり、神経質となったり、運動失調になったり、ぐったりします。

その他にも筋肉が震えたり、身震いをしたり、骨が弱くなるために骨折しやすくなったり、筋肉が収縮したり、痙攣したりする全身性テタニーなどが発現します。

こういった症状を確認した場合にはすぐに動物病院で診察を受けるようにしましょう。

犬のカルシウム代謝異常の治療

カルシウム代謝異常の治療としては、血中のカルシウム濃度が低下している状態の為にカルシウム剤やビタミンDの投与が施されます。

また、食事中の栄養バランスが偏っている事が原因の場合には栄養バランスが取れた食事を与えるようにしましょう。

室内飼育されている小型犬や超小型犬の場合は運動不足となり、日光を浴びる時間が少なくなりがちなので、1日2回30分ほどは外に出て日光を浴びるようにしましょう。

犬のカルシウム代謝異常の予防


カルシウム代謝異常の原因に感染症があるので、感染症を引き起こさないように健康管理を徹底的に行ったり、体力や免疫力が落ちないようにバランスのとれた食餌と適度の運動を行うようにします。

また、ガンや腎臓病が原因の場合もあるので、定期的な健康診断をする事によって犬に異常が起こっていない事を調べておくことも大切です。

腎臓病の予防として効果的なタンパク質性の食餌を与える事も重要となります。

まとめ

1. カルシウムの代謝は、上皮小体ホルモンとビタミンDが重要な役割を担っています。

2. カルシウム代謝異常の原因は、上皮小体ホルモンの分泌異常です。

3. カルシウム代謝異常の症状は、落ち着きがなくなり、神経質となったり、運動失調になったり、ぐったりしたりなどの症状が発現します。

4. カルシウム代謝異常の治療は、カルシウム剤やビタミンDの投与が施されます。

5. カルシウム代謝異常の予防は、バランスのとれた食餌と適度の運動を行う事が重要です。

犬のカルシウム代謝異常は、上皮小体ホルモンが異常をきたしたことで起こる病気で、筋肉が震えたり、身震いをしたり、骨が弱くなるために骨折しやすくなったりなどの多くの症状を発現します。

また、カルシウムやビタミンDなどの栄養に偏りがない食餌を食べさせる事が重要です。特に手作りで食餌を作っている飼い主の場合は栄養の偏りがないように注意する必要があります。

ドッグフードの場合はほとんどが栄養バランスに偏りがないように作られているのであまり心配はありません。

小型犬や超小型犬は運動量は中型犬以上の犬種ほど必要ではない為に、日光を浴びる時間が少なくなりがちです。

なので、小型犬や超小型犬を飼育する場合にはある程度日光に浴びる時間を設けるなどの工夫が必要となります。

(コラム:ペット専門家 クロさん)

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