犬のクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症) ~糖尿病などを併発する内分泌の病気~

18犬のクッシング症候群 わんわんネット
犬の内分泌の病気の1つとしてクッシング症候群があります。クッシング症候群は副腎皮質機能亢進症(ふくじんひしつこうしんしょう)とも呼ばれる内分泌の病気です。

命に関わる事はありませんが、糖尿病を併発したりといった症状を発現するので注意が必要な病気の1つです。

今回は、クッシング症候群について紹介していきたいと思います。

副腎とクッシング症候群

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副腎とは、腎臓の上にある小さな臓器で、左右1つずつある臓器です。

また、副腎は副腎皮質ホルモンコルチゾールを分泌しています。

このホルモンは、炎症を制御したり、炭水化物の代謝、タンパク質の異化、血液の電解質、免疫反応などの広範囲の生理学に深い関わり合いがあるホルモンです。

クッシング症候群は、コルチゾールが分泌され続けている状態で、それによって発現する症状の事をいいます。

コルチゾールが慢性的に過剰に分泌される状態になると、皮膚の筋肉の分解が促進されると同時に肝臓におけるグルコースの生成が促進される事によって高血糖を引き起こします

高血糖になるとインスリンがグルコースを細胞内に取り込む事で脂肪の沈着が促されるようになります。

また、クッシング症候群には医原性と自然性のものがあります。

犬のクッシング症候群の原因

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クッシング症候群は、8~12歳のシニア期の犬で最も発症頻度が高い病気です。

また、犬は、人や猫よりもクッシング症候群になりやすいとされていて、1000頭に1~2頭はクッシング症候群になるという調査結果もあります。

かかりやすい犬種も分かっていて、プードル、ダックスフント、 ボクサー、 ボストン・テリア、 ポメラニアン、テリア種が知られています。

クッシング症候群の原因:脳内の腫瘍

また、クッシング症候群の原因としては、脳内の腫瘍があります

副腎を司るのは脳内の脳下垂体と呼ばれる部位で、この脳下垂体に腫瘍ができると、副腎を制御している副腎皮質刺激ホルモンのバランスが失われ、ホルモンが過剰に生成され、分泌される状態になり、クッシング症候群を発症します。

脳下垂体に腫瘍ができてクッシング症候群が発症される確率は80%以上とされます。

クッシング症候群の原因:副腎の腫瘍

クッシング症候群を発症する原因としては、全体の約20%未満ですが、副腎自体に腫瘍ができる事でクッシング症候群を発症する事があります。

片側に発症する場合が90%で、両側に発症する場合は約10%程度です。

クッシング症候群の原因:医原性

クッシング症候群の原因には医原性があります。これは、腫瘍やアレルギー、炎症などの治療で用いられるステロイドを長期投与した結果発症するクッシング症候群です。

クッシング症候群の原因:その他

これら以外にも異所性食餌依存性といった原因があります。

異所性は脳でも副腎でもない場所からコルチゾールが分泌される状態で、食餌依存性は特殊な消化ホルモンに対する受容体がなぜか副腎の表面に出現し、インスリンの代わりにコルチゾールを放出してしまう状態です。

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犬のクッシング症候群の症状

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クッシング症候群の症状としては、食餌量や飲水量が増加し、排尿量も回数も増加します。

また、お腹が膨れたり、毛艶が悪くなったり、胴体の毛が左右対称に抜けたりします。その他にも筋肉が萎縮したり、甲状腺機能低下症や糖尿病を併発したりします。

胴体の毛が左右対称に抜けるのがクッシング症候群の特徴的な症状の1つです。
関連記事:犬の抜け毛 ~犬が抜け毛する原因に考えられる病気の種類と症状~

これらの症状を確認した場合には、すぐに動物病院で診察を受けるようにしましょう。

犬のクッシング症候群の治療

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クッシング症候群の治療としては、脳や副腎に腫瘍ができたりといったほかの病気によってクッシング症候群が引き起こされている場合にはその病気の治療が施されます。

ただ、腫瘍の場合には手術ができない場合もあるので、その場合には投薬による治療が行われます。

具体的にはミトタンやプレドニゾンなどの治療薬の投薬を行いますが、投薬を行うと一生涯行う必要があります。

また、ステロイドによる医原性クッシング症候群の場合にはステロイドの使用量を少しずつ減らしていきます。

犬のクッシング症候群の予防

クッシング症候群の予防法はありません。なので、早期発見・早期治療が重要となります。

なので、常日頃から犬に異常がないかをよく観察して、異常があればすぐに動物病院での診察を受けるようにしましょう。

まとめ

1. 副腎とクッシング症候群は、副腎は炎症を抑制したりといった体に必要な事をしている臓器で、クッシング症候群は副腎から分泌されるコルチゾールが過剰に分泌される事で起こる病気です。

2. クッシング症候群の原因は、脳や副腎の腫瘍、ステロイド剤の長期投与等が原因となります。

3. クッシング症候群の症状は、犬の胴体が左右対称に抜け毛が起こったり、お腹が膨れたりなどの症状が発現します。

4. クッシング症候群の治療は、元となる病気の治療をしたり、投薬治療が施されますが、投薬治療は一生涯行う必要があります。

5. クッシング症候群の予防は、方法がないので早期発見や早期治療が重要です。

犬の内分泌の病気の1つであるクッシング症候群は、予防法がないので、常日頃と違う行動や左右対称の抜け毛などの症状がないかをよく観察する事が大切です。

一度クッシング症候群を発症して、投薬治療を行う場合には一生涯付き合っていかなければいけなくなるので、飼い主や家族としては早期発見して治療する事が大切です。

(コラム:ペット専門家 クロさん)

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