犬の子宮蓄膿症 ~メス犬の代表的な生殖器の病気、子宮蓄膿症~

子宮蓄膿症 わんわんネット
メス犬の代表的な生殖器の病気である子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)は。子宮内に膿が溜まった状態で、急性と慢性に分類される化膿性の病気です。

メス犬を飼育している飼い主や家族の方は特に注意が必要な病気です。

今回は、子宮蓄膿症について紹介していきたいと思います。

犬の子宮蓄膿症の原因

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犬の子宮蓄膿症の原因としては、細菌感染があります。子宮蓄膿症になった犬から検出される細菌には、大腸菌、ブドウ球菌、レンサ球菌、サルモネラ菌などがあります。

また、検出される細菌の大部分は大腸菌が検出されます。全体の60~70%が大腸菌です。
通常、メス犬の子宮内へは膣粘膜のpHが産生に傾いているので生じにくいといわれています。ただ、バランスが崩れると、子宮内への細菌感染が生じます。

このバランスが崩れるきっかけとしては発情周期に伴って分泌される黄体ホルモンが関係しているといわれています。

黄体ホルモンは、子宮内膜で増殖を促す為に発情が繰り返されるうちに内膜が熱くなっていき、子宮壁の嚢胞性増殖が起こります。

この状態は、細菌感染に対する防御が弱い為に、外陰部からの細菌感染が起こると子宮内で細菌の増殖が起こり、膿が溜まり、子宮蓄膿症を発症してしまいます。

犬の子宮蓄膿症の症状と特徴

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犬の子宮蓄膿症は、繰り返し発情をする年を重ねたメス犬に起こりやすく、一般的には6歳を超えると発症が多発する傾向にありますが、若くても発症する事があります。

また、犬の発情期は他の動物よりも長く、発情後も黄体期が約2か月続く事から子宮蓄膿症になりやすい動物です。

また、子宮蓄膿症と出産歴は深い関係があるとされ、出産を経験していない犬の場合は発症しやすく、出産を繰り返す犬は発症の危険性は低いとされます。

子宮蓄膿症は進行の程度によって4つに分類されます。

Ⅰ期は、子宮壁に単純な嚢胞上の過形成が確認できますが、無症状なので飼い主や家族は殆ど気付く事はできません。

Ⅱ期に進行すると、子宮内膜の厚みが増し、子宮腺の分泌と共に子宮内に粘液が貯留します。
この記事には外陰部からのわずかなおりものが認められます。
この段階までが子宮蓄膿症の前段階でⅢ期以降になって初めて子宮蓄膿症と診断されます。

Ⅲ期になると、子宮内膜の嚢胞性増殖に加えて急性の子宮内膜炎が起こります。また、この段階にまで進行するとX線検査やエコーによって子宮の拡張が認められます。

Ⅳ期になると、慢性の子宮内膜炎が起こり、子宮筋層の破壊が起こります。また、子宮壁に嚢胞性増殖が認められなくなります。

子宮頚管が閉鎖された症例では、子宮が著しく拡張し、子宮壁は薄くなり、脆くなります。
卵管から膿が腹腔内に漏れ出し、致死性腹膜炎を起こす危険性が増し、非常に危険な状態になります。

症状としては、多飲・多尿、嘔吐、腹水等が認められ、慢性から末期のものまで様々あり、治療が遅れると多臓器不全となり、死亡してしまいます。

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犬の子宮蓄膿症の治療

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犬の子宮蓄膿症の治療としては、膿が溜まった子宮と卵巣を外科手術によって摘出し、抗生物質によって腹腔内を洗浄します。

早ければ早いほど助かる確率は上昇します。

手術をせずに抗生物質と子宮頚管を開く注射で膿を排外させるという治療法もありますが、この方法は延命効果がありますが、最終的には死亡します。

細菌が腹腔内に漏れ出してしまい腹膜炎を起こしている場合には、子宮を摘出し、抗生物質で腹腔を洗浄し、腹腔にカテーテルを留置して手術を終えて、腹膜炎を治療するまで毎日5~6階抗生物質を腹腔内に流します。ただ、この方法も助からない症例が多い傾向にあります。
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犬の子宮蓄膿症の予防

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犬の子宮蓄膿症の予防は、避妊手術をする事です。

ただ、避妊手術には子宮を摘出しない場合もあります。この方法による避妊手術は子宮蓄膿症になる事があるので、子宮も摘出する避妊手術を受けるようにしましょう。

また、治療が遅れるほど、生存率が低下してしまうので、異常を確認した場合にはすぐに動物病院で診察を受けるようにしましょう。

まとめ

1. 子宮蓄膿症の原因は、大腸菌をはじめとする細菌が感染する事によって発症します。

2. 子宮蓄膿症の症状と特徴は、年を重ねたメスで起こり、出産をしていない犬で起こりやすい傾向にあり、治療が遅れると命に関わる病気です。

3. 子宮蓄膿症の治療は、子宮を摘出する手術が唯一の生き残る方法といえます。

4. 子宮蓄膿症の予防は、避妊手術しかありません。

犬の子宮蓄膿症は、最終的には命に関わる病気ですが、避妊手術によって100%予防する事ができる病気です。
出産をさせない場合には早期に避妊手術を受けさせるようにしましょう。

また、子宮蓄膿症の症状はあまり特徴的な症状がないので見落としやすいので、少しでも今までと違いがあれば動物病院で診察を受けたり、定期的な健康診断を受けるようにしましょう。

(コラム:ペット専門家 クロさん)

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