犬の肝炎と肝硬変 ~肝臓の病気は気付きにくく手遅れになることも!~

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肝臓は、犬が生きていくためには必要不可欠な臓器です。また、沈黙の臓器としても知られる臓器です。

肝臓の病気としては、肝炎(かんえん)があり、肝炎が進行した場合には肝硬変(かんこうへん)になってしまいます。肝硬変まで進行した場合には元通りにはほとんどなりません。投薬を一生涯続けていかなければいけなくなります。

今回は、肝炎と肝硬変について紹介していきたいと思います。

犬の肝臓とはどんな臓器?

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犬の肝臓は、体の臓器としては最大の腺組織で、糖質・タンパク質・脂肪代謝、電解質や水の代謝など様々な役割を担っている臓器で、生きていく上では必要不可欠な臓器といえます。

肺のすぐ後ろにあり、横隔膜と胃に挟まれているような場所にあります。また、心臓から送られる血液の約25%が肝臓へと送られています。

肝臓の特徴としては、再生能力が非常に高いというものがあります。肝臓の4/5以上がダメージを受けても症状が発現することなく、いつも通りの仕事を行います。

この事から沈黙の臓器といわれますが、症状が発現しにくい為に肝臓が損傷している事に気づきにくく、病気が進行してしまい、手遅れになる事もあります。

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犬の肝炎の原因

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肝炎(かんえん)は、肝実質細胞が炎症を起こし、壊死に陥った病態を呼びます。肝炎は急性と慢性の2つに分類する事ができ、急性肝炎はで肝細胞の変性・壊死並びに炎症細胞の浸潤が認められます。

犬の急性肝炎の原因

急性肝炎は、ウイルスや細菌、真菌、原虫、寄生虫の感染によって発症する感染性肝炎と化学物質や麻酔薬、治療薬、カビなどによる中毒性肝炎に大別されます。

また、急性膵炎や溶血性貧血などの病気と併発する事もあります

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犬の慢性肝炎の原因

慢性肝炎では炎症は臨床的にも長時間持続し、肝細胞の小規模な炎症及び炎症・壊死と門脈域の線維化が同時に認められます。

慢性肝炎は、急性肝炎から継発する症例がありますが、原因不明の場合もあります。
また、抗けいれん薬、硫酸トリメトプリム、ジメチルニトロサミン、オキシベンダゾールなどによって肝臓が長い時間をかけてゆっくりとダメージを蓄積した結果、慢性肝炎を引き起こす場合もあります。

慢性肝炎にかかりやすい犬種

慢性肝炎にかかりやすい犬種がいくつか確認されているので、遺伝的な要因も原因として考えられています。

ベドリントン・テリア、アメリカン・コッカー・スパニエル、イングリッシュ・コッカー・スパニエル、ドーベルマン、ラブラドール・レトリバー、スカイ・テリア、スタンダード・プードルなどは発症しやすい為に注意が必要です。また、6歳頃に好発する傾向にあります。

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犬の肝炎の症状

急性肝炎の症状は、程度によっても異なってきますが、食欲不振、嘔吐、下痢などの消化器系の症状が発現します。また、胆管細胞が障害されると胆汁うっ滞が起こり、黄疸が認められます。重症化すると、肝性脳症も発現します。

慢性肝炎では、食欲不振、削痩、元気消失などが観察されます。

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犬の肝硬変の原因

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肝硬変(かんこうへん)は、慢性肝炎、胆管結石などによる胆汁うっ滞、犬糸状虫症などによる循環不全などにより引き起こされた慢性肝疾患の終末像です。

慢性肝炎に追って繰り返し炎症が起こると、そのたびに線維組織が増殖して破壊された部分を修復しようとします。最終的には組織を保護する為の線維が多くなりすぎてしまい、肝臓全体を硬く変質させてしまいます。

また、肝臓の機能である合成や代謝機能が障害され、低タンパク血症や低血糖症が発現する事もあります。

犬の肝硬変の症状と治療

肝硬変は、肝機能が極端に低下した状態になり、食欲不振、削痩、下痢、便秘などが認められ、進行すると食欲廃絶、黄疸、腹水などが確認されます。肝硬変になると、元の肝臓に戻る事はほとんど不可能なので、治療も完治を目指すのではなく、症状の軽減を目的とした対症療法が施されます。

また、腹水が溜まっている場合には腹水を抜きます。肇は利尿剤によって抜きますが、それでも腹水が十分に抜けない場合には注射針を利用して腹水が溜まっている場所に刺して抜きます。

肝硬変の原因の1つでもある肝炎を改善する為に投薬治療も施されます。抗酸化剤、亜鉛、銅キレート剤、免疫抑制剤、抗線維化物質といった投薬治療が施されますが、これは症状がこれ以上悪化しないようにする為のもので、虹の橋を渡るまで続ける必要があります。

犬の肝硬変にならないようにする為に

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肝硬変にならないようにする為には、肝炎にならないようにする事が大切です。感染症や細菌感染などをしないように体調管理や衛生管理を徹底的に行い、ワクチンで予防できるものは予防するようにしましょう

食餌もほしいものをほしいだけ与えるのではなく、ある程度飼い主や家族がコントロールをして食べさせて、毎日適度に運動をさせる事でも予防はできます。

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まとめ

1. 肝臓とはどんな臓器?は、肝臓は生活する上では様々な役割を担う臓器であり、ある程度のダメージでも根を上げない我慢強い臓器といえます。

2. 肝炎の原因は、肝炎は様々な原因で起こり、急性と慢性では原因となる事も変わってきます。

3. 肝炎の症状は、食欲不振などの症状を発現し、最悪の場合委は神経症状も呈する危険性がある病気です。

4. 肝硬変の原因は、慢性肝炎からの進行や犬糸状虫症等の感染症などいくつかありますが、肝硬変まで進行すると危険性が高くなります。

5. 肝硬変の症状と治療は、肝炎に似た症状から食欲廃絶、黄疸、腹水まで様々な症状が発現し、治療もずっと続けていかなければいけなくなります。

6. 肝硬変にならないようにする為には、体調管理や衛生管理を徹底的に行い、バランスがとれた食餌と適度な運動が大切です。

肝臓は、我慢強い臓器なので、症状が発現した場合にはかなり進行している事も多いので、手遅れとなる事も多いので、異常が認められた場合にはすぐに動物病院での診察を受ける事が大切です。また、すぐに異常が見つけられるように毎日よく観察するようにしましょう。

(コラム:ペット専門家 クロさん)

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