犬の免疫介在性溶血性貧血 ~致死率・緊急性が高い血液の病気~

免疫介在性溶血性貧血1-1

犬の血液の病気としては、貧血が知られていますが、その中で最も高い確率で発症するといわれるのが免疫介在性溶血性貧血(めんえきかいざいせいようけつせいひんけつ)です。

免疫介在性溶血性貧血は、急性貧血を起こす病気で、赤血球の崩壊が亢進する病気です。
また、長期的に付き合っていかなければいけない病気で、命に関わる事もある緊急性がある病気です。

今回は、免疫介在性溶血性貧血について紹介していきたいと思います。

犬の免疫介在性溶血性貧血とは?

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免疫介在性溶血性貧血は、自己免疫性・同種免疫性・薬物誘発性溶血性貧血に大別されます。

自己免疫性溶血性貧血

赤血球に対して抗体が産生された結果発症

同種免疫性溶血性貧血

抗赤血球同種抗体が存在した結果発症

薬物誘発性溶血性貧血

薬物に対する抗体と薬物の結合体や薬物による抗体の産生が誘導された結果発症

そして、補体を介して直接的若しくはマクロファージによる貪食によって赤血球の崩壊が亢進される病気です。

犬の免疫介在性溶血性貧血の原因

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免疫介在性溶血性貧血は、抗体を作る部分に遺伝、ウイルス感染、薬物などにより抗体産生細胞の刺激或いは質的な変化が起こる事で発症します。

また、ウイルスや細菌、薬物などの抗原に対する抗体を関与した発症も知られています。

全ての犬種で発症が確認されていますが、マルチーズ、プードル、オールド・イングリッシュ・シープドッグ、アイリッシュ・セター、コッカー・スパニエルなどの犬種で特に発症が多い傾向にあり、さらに遺伝性要因の関与も考えられています。

また、メスでの発症が多く、オスの3~4倍の発症率が高いといわれていて、2~8歳での発症が多いという報告もあります。

発症後2~3週間で死亡する症例も多くあり、致死率が高く、免疫介在性溶血性貧血を発症する4割が死亡するというデータがあります。また、早急な治療が必要となる病気です。

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犬の免疫介在性溶血性貧血の症状

免疫介在性溶血性貧血の症状落としては、急性貧血を伴い、元気消失、食欲廃絶、可視粘膜蒼白、頻脈、呼吸促迫、心悸亢進などが確認されます。

また、飲水量の増加や嘔吐を示す場合もあり、飲水量が増加するので自然に排尿の回数も量も増加します。

さらに、黄疸を伴う事も多く、発熱やヘモグロビン尿が確認される症例もあります。
肝臓や脾臓が腫れて大きくなるといった症状も確認される場合も多い傾向にあります。

犬の免疫介在性溶血性貧血の治療

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免疫介在性溶血性貧血かどうかは、血液検査とモニタリング検査等によって診断します。

赤血球に自己凝集が認められることや赤血球表面に抗体が付着していることを証明する検査(直接クームス試験)、赤血球の形態すなわち球状赤血球の出現などから確定診断が行われます。

免疫介在性溶血性貧血であることが確定診断された場合には、貧血を止める為に赤血球が破壊される事を止める必要があります。

内科的治療として、ステロイド剤や免疫抑制剤の投与が行われます。また、血液が不足している場合には輸血が行われます。

非常に致死率が高く、治療が行われてもダメージを受けてしまった内臓までは完治出来ない場合や出血多量で死んでしまう場合もあるので、楽観視ができない病気といえます。

犬の免疫介在性溶血性貧血の予防と対策

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免疫介在性溶血性貧血の予防は難しい為に、早期発見・早期治療が重要となります。

免疫介在性溶血性貧血の症状が確認された場合にはすぐに動物病院での診察を受けるようにしましょう。

また、治療が行われたとしても再発する可能性も否定できないので、長期に渡って付き合っていかなければいけない病気といえます。

まとめ

1. 免疫介在性溶血性貧血とは、赤血球が破壊されてしまい、貧血を起こしてしまう病気で、致死率も高い怖い病気の1つです。

2. 免疫介在性溶血性貧血の原因は、抗体を作る部分に遺伝、ウイルス感染、薬物などにより抗体産生細胞の刺激或いは質的な変化が起こる事で発症します。

3. 免疫介在性溶血性貧血の症状は、ぐったりしたり、食餌をしなかったり、呼吸や脈拍が早くなったりといった症状があり、これらの症状が確認された場合にはすぐに動物病院へ連れていくようにしましょう。

4. 免疫介在性溶血性貧血の治療は、貧血を改善して、足りない血液に対しては輸血をします。ただ、完治ができない場合や出血多量で死亡する危険性があります。

5. 免疫介在性溶血性貧血の予防と対策は、愛犬に異常が確認された場合にはすぐに動物病院での診察や検査を受けるようにします。

犬の血液の病気は、命に関わります。なので、常日頃から愛犬の体に異常がないかを確認しておくことが大切です。

また、定期的な動物病院での健康診断も受けておき、かかりつけの動物病院を見つけておくことも大切です。

(コラム:ペット専門家 クロさん)

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